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第8回 
埼玉県越谷 千葉翁の巻

日本中の森を訪ね歩き調査・探検を行う、どんじゃら探検隊。
今回彼らは森を離れ、埼玉県越谷市に森と深く関わる一人の人物を訪ねた。
木の家をつくることに永年情熱を傾けてきた千葉弘翁である。
森から家づくりを考えることの大切さについて話をうかがい、今日ではめずらしくなった、 木材の手刻みの現場も見ることができた。
千葉副隊長のルーツを探りつつ、都市から森を見つめてみよう。
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森の土霊のルーツ

「杉やヒノキは何年くらいで一人前に成長するでしょう?」
「20年くらいかな」
「40年」
「正解は60年でしたぁ」
『日本の国土面積に占める森林の割合は?」
「20%」
「50%くらいでしょ」

「残念、正解は70%です」
「日本における輸入材と国産材の比率は?」
…車に揺られながら、大場隊員とカズが、2人の高校生マドンジャラ(どんじゃら探検隊のマドンナの愛称)早川&岡田に質問を浴びせている。
「うっそー、信じられなーい」車内はかなり賑やかである。喜一隊長もにこやかに見守っている。

探検隊が目指すのは、埼玉県越谷市の千葉工務店。
「木の家に対する情熱は誰にも負けない」と自称する森の土霊こと千葉ちゃんの父、千葉弘翁に話をうかがうためである。
千葉翁こそ、森から家づくりを考え、都市で家づくりを行う立場から、森へのアプローチを積極的に行ってきた重要人物なのである。
車が到着すると、千葉翁と副隊長がにこやかに一同を出迎えてくれた。翁の前ではさすがの副隊長も言葉数が少なく、神妙な面持ちである。
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千葉翁の生い立ち

千葉翁はまず、自らの生い立ちを語ってくれた。
出身は岩手県で、父親は林業などを営んでいたという。
昭和27年、15歳で上京、渋谷の工務店で大工の丁稚として働き始める、通常6年の修行期間を、渋谷という楽しい町ゆえに、堂々倍の年数をかけて修了。昭 和38年、おとうと弟子2人とともに、越谷の地で設立したのが千葉工務店である。自分たちと同じ年頃に上京した翁の極道話や当時の渋谷の様子などに、マド ンジャラたちも目を輝かせて聞き入っている。「当初は主に建売住宅の仕事をしていましたが、今から20年ほど前、大工の腕が生かせる注文住宅の仕事に路線 変更したんです。匠の会に入会したのもその頃でしたね」

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自慢の腕と最良の材料

注文住宅で行くと決めたら、いい住宅は木の家、木の家なら良質の材料、というふうに自然とやることが分かってきたという。「腕には自信がありましたから、 あとは材料です。ウソのない裁量の材料(木材)を使って、自慢の技で家を建てれば、きっと満足してもらえると思いました」それからというもの、千葉翁の山 野放浪の旅

が始まったという。
「書物からでも木の知識は得られますが、実際に自分で見て、触って生きた勉強をすることが大切だと考え、何度も何度も山(産地)に足を運びました」出身地 である東北方面の山などはほとんど踏破したしたというから、その情熱はほんとハンパではない。
山に行くことで、間伐のコストが出ずに荒れ放題になった森が多いこと、人手不足の問題、水の問題などもダイレクトに学んだという。
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山を知らずに木の家なし

「木は育つ環境や手入れなどによって一本一本違います。実際に山を歩いて勉強したことで、この木は住宅のあそこに使うといいなとか、文字通り適材適所が分かるようになりました」と千葉翁。
「最近では、木裏や木表もわからない職人が木の家を建てようとしているご時世ですが、みんなもっと勉強しなければいけませんね」と言う。「木で家を建てよ うと思ったら、森のことをよく知らないとダメだし、逆に木を育てる山側も、もっと家づくりのことを知らないと本当にいい木は育てられません。使う立場で山 を見ると、少数の例外を除いて、どこに行っても山を育てていないのが現状です。もっと熱心に育ててほしいですね」千葉翁の説得力のある言葉に一同「ごもっ とも、ごもっとも」と大きく頷くのだった。
最近では、施主を紀州などの山に連れていくこともあるという。自分の家の材料となる木や森を見ておくことで、出来上がった家に対する愛着もひとしおとなるだろう。
また、20年以上の山歩きの経験をもとに、山林家に対する技術指導や経営指導を行うなど、山側を育てることにも意欲を燃やしているようだ。

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「森の大土霊」誕生

その後一同は、今日ではめずらしくなってしまった手刻みの作業風景などを見学し、千葉工務店を後にした。「学校では教えてくれない森と家づくりの話、とても勉強になりました。将来、家を建てるならぜったい木の家がいいな」とマドンジャラズは口をそろえていった。
「日本の森の再生は川上(森)と川下(まち)が一体となった取り組みが必要なんだ」と大場隊員が言うと、「その点で、千葉翁は木の山を

動かした人物であり、大変な企画者と言えるね」とカズ。
「千葉翁はやはり只者ではなかった。森の土霊の父だから森の大土霊ということになる」隊長が最後に付け加えた。
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