帰り道、探検隊は林業センターを訪ねた。展示室には集材方法の歴史も紹介されていて、川を流したり、山の斜面を滑らせたり、トロッコや森林鉄道を使ったりと、興味深いものばかりだった。 「昔も今も大変な作業に変わりはないですね」と土霊が言った。 和歌山県の森についてもざっと学んだ。森林面積は約36万4000haで県土の77%を占める。そのうち国有林は5%で民有林が61%、天然林が約 37%となっている。人工林では杉の植林面積が約43%、桧が54%で、杉と桧で全体の97%にも及ぶ。森林蓄積量も全国4位という、まさに森林国ならぬ森林県なのである。しかし、これだけの森林を有していながら、木材の入荷量を見ると外材(輸入材)が約76%、県産材が約20%他県より4%と、国産材自給率は約24%しかないのだ。 「なぜ近くの木を使わないのだろう」とカズ。「現在の日本で使用される材木は8割が外材、国産材は2割に過ぎないんだ。日本の山は荒れる一方で、川や海にも影響が出ているんだ」大場隊員が悲しそうに答えた。
...................................................................................... |
その日の夜、榎本会長が゛興味深い話をしてくれた。和歌山県の山の植生は常緑広葉樹林だが、人の手が入るようになると、薪や製炭材として伐採され、 20〜30年サイクルで自然更新されていたという。しかし戦後の燃料革命で炭の需要が減り、今度は急速に現在の杉や桧の針葉樹に変わったらしい。 「その針葉樹の山をこれまで私たちは自慢してきたわけですが、現在では、少しずつでも元の山の姿に戻していくのが自然ではないか、そう思っているのです」会長の話に隊員一同、静かにうなずくのだった。「山長の森は、これからの日本の森の模範になるかもしれないな」隊長が総括するように語った。 最終日、探検隊は田辺木材共販所に足を運んでみた。西牟婁森林組合が主催する月3回の木材市場が開かれていたからだ。広大な敷地に丸太がきれいに並べられていて、競り子が威勢のよい掛け声で大勢の製材業者に丸太を次々とさばいていく。みみんな木の目利きばかりだから、丸太の良し悪しが始めて決められる場所と言えるだろう。「木も売られていくんですね」と千葉ちゃん。「どうか100年くらい持つ丈夫な家の一部として活躍できますように・・・」森を見てきたばかりのどんじゃら隊員は皆、けなげに同じことを考えていたのである。
|